
この人って、どこの会社から来たんだっけ…?
IT業界30余年、フリーランスのシルバーSE。KAZです。
SES現場で「え、この人どこの会社の人?」と不安に思った経験、ありませんか?
実は、発注側の担当者ですらその構造を知らないことも。
この記事では、SESの“多重下請け構造”が生む問題点と、リーダーとして何ができるかを解説します。
読めば、現場の見えないリスクに気づき、一歩踏み出すきっかけが得られます。
お悩み

この前プロジェクトに新しく入った人なんだけど、どこから来たのか分からなくて不安…
結論
多重下請け構造は、現場を見えにくくし、トラブル時の対応も遅らせる元。
リーダーは“情報の透明化”と“経路の把握”でリスクを減らせる。
多重下請け構造の実態
Q. そもそも「多重下請け構造」ってなに?
SES(システムエンジニアリングサービス)業界では、案件を受注した元請け企業が、さらに別の企業に発注し…という構造が珍しくありません。
たとえば、発注元 → 一次請け → 二次請け → 三次請け → エンジニア、というように、4~5階層にもなることがあります。

特に私のようなフリーランスはプロジェクトの直接参画できることは少ないので、
知り合い会社の契約社員という形での参画が多いです。
Q. 発注側の人はその構造を知ってるの?
驚くかもしれませんが、発注側の担当者が「まさかそんなに階層があるとは…」と後から気づくケースもあります。
契約書では一次請けとしかつながっていないため、その先はブラックボックスになりがちなんです。

「(契約上)このプロジェクトに入って大丈夫なの?」って、
思うことが結構ありますw
もちろん私からネタバラシすることはないですが・・・
Q. 何が問題なの?
一番の問題は「統制がきかなくなること」です。
階層が増えるほど、情報伝達が遅くなり、責任の所在もあいまいになります。
たとえば、トラブル時に「この人どこ経由で来てるんだっけ?」「誰に連絡すればいいの?」という混乱が起きがちです。
Q. 現場ではどんな影響がある?
ごく稀ですが、素性のよくわからない人が現場に入ってくる可能性もあります。
面談では印象がよくても、実際に働き始めると「実力が足りない」「コミュニケーションが取れない」といったケースも。
誰がどうチェックして採用したのか不透明なため、チームとしてのパフォーマンスにも影響を与えます。
対処方法
現場のリーダーやエンジニアとしてできることは限られていますが、以下のような対策が有効です:
実態を知る
SESでは「元請け → 一次請け → 二次請け → … → エンジニア」という流れが珍しくありません。
階層が深くなるほど、情報伝達の遅れや責任の所在が曖昧になるということを知っておく必要があります。
リーダーとしてできること
もし、あなたが現場のリーダーで面談する立場にあるならば以下の方法も有効です。
- 面談時に所属企業の経路を確認する
- メンバー一覧を共有し、会社名と役割を明示する
- ベンダーとの契約時、階層制限や明示を依頼する
まとめ
SESの多重下請け構造は、業界の“闇”とも言える部分です。
階層が増えるほどコントロールが難しくなり、しわ寄せが来るのは私たち現場のエンジニアです。
まずは構造を知り、できる範囲で透明性と信頼性を確保することが、健全な開発環境をつくる第一歩。
リーダーが先回りして、透明性と見える化を意識することで、
チームの安心感とパフォーマンスを高めることができます。
自分の立場でできることから、少しずつ変えていきましょう。
余談・・・

ただ、あまり透明性が高くなると私を含め、
かなりの数のエンジニアが職を失うことにも成りかねないのが業界の実情・・・
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