
えっ……それ、今日中ですか……?
こんにちは。IT業界30余年、フリーランスのシルバーエンジニア。おにぎりです。
「これ、今日中でよろしく」「とりあえず一旦やってみて」「いい感じで仕上げといて」──。リーダーになって、こういう一言で固まる夜、たぶん何度かありますよね。
新米リーダーは、断る筋肉がまだ育っていません。指示が降ってきた瞬間、頭の中で「なぜ自分?」「いつ寝る?」「これ本当に今やる仕事?」が同時に走って、何も言えなくなる。
理不尽な指示で固まらず、潰れず、前に進むための3ステップ。実体験ベースで書いていきます。
お悩み:「断れない」と「抱え込む」の悪循環

これ、明日までによろしく。いい感じで頼むわ。

……あ、はい、わかりました……

おかかくん。もうその瞬間に、もう詰みが始まってるんだよ
新米リーダーは、上司から指示が降ってきた瞬間に「はい」と言ってしまいがち。理由はシンプルで、断るための材料を持っていないから。「他の作業があるから無理」と言いたくても、その「他の作業」の重みを上司が知らない。
すると、抱え込んだまま夜中まで作業して、翌日また別の指示が降ってきて、また抱え込む。この悪循環に入ると潰れてしまいます。
たとえばこんな金曜日。夕方17時、レビュー資料を作っているところに上司が来て「来週月曜の朝イチで、別案件のスケジュール表まとめておいて」と言う。「来週月曜」と聞いて、新米リーダーは反射的に「土日でやるしかない」と計算する。でも、本当に土日を潰す必要があるのかは、まだ確認していない。
ここを抜ける鍵は、「指示を受けた瞬間に少しだけ立ち止まる」こと。立ち止まるための具体的なやり方が、これから書く3ステップです。
なぜ理不尽指示が降ってくるのか?
ここで、上司側の事情も見ておきます。理不尽指示が降ってくる背景には、だいたい3パターンあります。

ひとつめは、上司も誰かから降ってきた指示を流しているだけのパターン。お客さんから「明日までに」と言われた上司は、自分も焦っているので、深く考えずに部下に流す。このとき、上司の頭の中には「目的」も「優先順位」も入っていません。
ふたつめは、上司が部下の作業量を把握していないパターン。「あの子、まだ余裕あるだろう」と思って指示を出している。本人としては理不尽のつもりはなく、ただ見えていないだけ。
みっつめは、上司自身が判断を回避しているパターン。「いい感じで」「とりあえず」という言葉は、自分が決めたくないときに出る。決断を部下に丸投げしているわけです。

3つとも共通してるのは「上司が悪い」じゃなくて「指示の構造が壊れてる」ってこと。構造が壊れてるなら、新米リーダー側で組み立て直せばいい
対処方法:3ステップで「理不尽」を「翻訳」する
ステップ1:「目的」を聞き返す
指示を受けた瞬間にやるのは、「はい」と返事をする前に目的を1つ聞くこと。
- 「この作業、最終的に誰が見ますか?」
- 「これって、どの会議で使うやつでしたっけ?」
- 「優先順位だと、進行中の○○とどっちが先ですか?」
このひと言で、3つのことが起きます。

「最終的に誰が見ますか?」って聞いてみたら、上司が黙ったあとに『うーん、それ、やっぱり俺がやるわ』って言ったんですよ

聞かれて初めて目的を考える上司は、けっこういる。聞き返すコストはゼロ。やらない手はないよ
ステップ2:「期限の根拠」を分けて聞く
「明日まで」という期限が出てきたら、「いつまでに」と「なぜ」を分けて確認します。
- 「明日までというのは、何時までですか?」
- 「明日まで、というのは、どこから来てる期限でしょうか?」
- 「もし2日いただけたら、品質は上がりますが、それでも明日でしょうか?」
経験上、「明日まで」と言われた指示の半分は、実は来週でいいやつです。上司が焦って言っているだけで、本当の期限はもっと先にある。期限の根拠を聞くだけで、自分の睡眠時間を守れます。
聞き返してみたら「火曜の昼の社内会議で使うやつ」だったりします。それなら月曜の昼までで十分。週末を潰す必要はなくなります。
逆に、本当に明日が必要な指示も2割くらいはあります。そのときは「明日でやります、ただし○○は来週に回します」と返す。自分の手札を見せて交渉するのがコツです。隠したまま頑張っても、誰も気づいてくれません。
ステップ3:「一人で抱えない」── 同期との並走
ステップ1と2をやっても、ときどき「やっぱり今日中、うちでやれ」という指示は降ってきます。そういう日は、同期に話すのが一番効きます。
ぼくの友人で、エビマヨくんという同期がいます。彼も新米リーダーです。理不尽指示で固まった日にLINEを送ると、だいたい「ぼくも今日、同じこと言われたとこ」と返ってきます。
このあいだも、ぼくが「『いい感じで』って言われた、意味わかんない」と送ったら、エビマヨくんは「うーん、それ、上司もわかってないやつだよ。うちでもあった」と返してきました。解決策じゃないけれど、「同じ景色を見ている人がいる」だけで、夜の作業がだいぶ軽くなります。
同期と愚痴れる関係性は、新米リーダーにとっての最後の砦です。仕事の解決策ではなく、「潰れないための土台」として機能します。孤独感が消えると、作業の重さが半分になる──精神論ではなく、たぶん本当にそういう作りなんです、人間って。
まとめ:固まる前に、3つを順番にやる


目的を聞いて、期限の根拠を分けて、それでもダメなら同期にLINE──これならいけそう!
理不尽指示が降ってきたとき、新米リーダーがやることは順番に3つだけ。
- 目的を聞き返す(「これ、何のための作業ですか?」)
- 期限の根拠を分けて聞く(「明日まで、というのは、どこから来てますか?」)
- 一人で抱えない(同期にLINEを送る)
そういえば今日も、エビマヨくんから「うちの上司、また『いい感じで』って言ってきたんだけど」とLINEが来ていました。お互い、明日も明後日も「翻訳」を続けるんでしょう。
ひとりで抱え込まず、聞き返して、ちゃんと分けて、それでもダメなら誰かに話す。それだけで、新米リーダーの夜は確実に短くなります。

今のプロジェクトで、ひとつだけでも試してみてください。来週の自分が、たぶん少し楽になっていますよ



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