「口を出すなら最後まで」無能な働き者の同僚に対して、自分でできること・できないこと

善意で積み上げられていく書類の山を、困り顔で見つめるおかかくん IT現場あるある
おかかくん
おかかくん

隣の席の人、すごく頑張ってるんだよ。なのに、その人が動くたびに、なぜかぼくの仕事が増えるのはなんで?

頑張っているのは分かる。悪気がないのも分かる。それなのに、その人が動いたあとに残る手直しを片付けるのは、なぜか自分。しかも相手は同僚なので、注意できる立場にありません。

頑張っているのに周りの仕事を増やしてしまう人は「無能な働き者」と呼ばれます。特徴やリーダー側の止め方は「無能な働き者」チェックリストの記事にまとめました。この記事は、止める権限を持たない同僚の側の話です。

おにぎりさん
おにぎりさん

最初に前提を置くね。他人を変えることはできない。ここから考えると、やることがずっと少なくなるよ。

SE・PMOとして30年現場にいる私は、同僚からこの相談を受けたことがあります。そのときの話も交えて書きます。

結論:相手は変えられない。自分でできることで作業を守り、自分ではどうにもならないことは上司に渡す

相手は変えられません。自分でできることで自分の作業を守り、自分ではどうにもならないことは上司に渡します。やることはこれだけです。

人は、自分で「変わろう」と思ったときにしか変わりません(考え方の中身は「人は変えられない」と気づいたとき、リーダーが取るべき一歩とは?)。相手を変えることは、自分ではどうにもならないことの代表です。まして同僚には、相手の仕事の進め方を決める権限もありません。

変えられない相手に力を注ぐほど、自分の仕事が進まなくなります。その力は、自分の作業を守るほうに回します。

なぜ同僚のあなたが口を出すと悪くなるのか

私自身が決めていることがあります。

他人の課題には口を出さない。もし口を出すなら、最後まで面倒を見る覚悟で口を出す。

一言言いたくなる気持ちは分かります。でも、注意しても相手は変わりません。変わらない相手には、責められた気持ちだけが残ります。責められた人は周りに聞くのを避けるようになり、確認せずに動く癖はむしろ強まります。関係もこじれて、あなたの仕事はさらにやりにくくなります。

最後まで面倒を見るとは、相手のやり方が変わるまで付き合い、うまくいかなかったときの後始末まで引き受けることです。自分の仕事を抱えた同僚に、その時間はありません。

だから、口を出さずに上司に渡します。上司も相手の性格は変えられませんが、担当や仕事の割り振りは変えられます。仕事の形を変えられる人に渡すのは、逃げではなく役割の分担です。

おかかくん
おかかくん

でも、何も言わないのって、見て見ぬふりにならないの?

おにぎりさん
おにぎりさん

ならないよ。見たことは上司に伝えるからね。見て見ぬふりは、誰にも伝えないことだよ。

やってはいけないこと:陰口とネガティブキャンペーン

本人に口を出さないと決めると、代わりに裏で言いたくなることがあります。陰口を叩く。周りに相手の失敗を言いふらして、チームから外れるように仕向ける。これはやってはいけません。

相手を排除しようとしても、相手は変わりません。変わるのは周りの目です。陰口を聞いた人は「この人は、いないところで人を悪く言う人だ」と覚えます。次は自分が言われるかもしれないと、あなたから距離を置くようになります。

陰口やネガティブキャンペーンは、自分の周りからの評価を下げるだけです。そう心得てください。伝えるべきことは、上司に事実として伝える。それ以外は口にしない。これで十分です。

同僚から相談を受けた時に、私がやったこと

一緒に働いている同僚から「無能な働き者の同僚」について相談を受けたとき、私がやったのは3つです。

まず、話をとにかく聞きました。そのうえで、困りごとを「自分でできること」と「自分ではどうにもならないこと」に分けてもらいました。自分ではどうにもならないことについては、上司に相談するようアドバイスしました。

特別なことではありません。次の章で、この分け方をあなたが明日から自分でできる手順にします。

仕分けの実例と上司への持っていき方

分けるのは、あなた自身です。分け先は「自分でできること」と「自分ではどうにもならないこと」の2つ。相手を変えることは、自分ではどうにもならないことに入ります。

  • 困りごとを、思いつくまま紙に書き出す
  • 一つずつ「これは自分でできることか」を自分に聞く
  • 自分でできることは自分で片付け、自分ではどうにもならないことは上司に渡す
困りごとを、自分でできることと自分ではどうにもならないことに分ける図。自分でできることで自分の作業を守り、相手を変えることや担当の線引き、仕事の割り振りは上司に渡す

自分でできることは、たとえば次のようなものです。

  • 自分の資料は版を分けて保存し、書き換えられてもすぐ戻せるようにしておく
  • 手伝いを申し出られたら、「ここは自分でやります」とその場で線を引く
  • 頼まれごとは全部引き受けず、「明日の午後なら見られます」と自分の都合を先に言う
  • 手直しが出たら、いつ・何が・どれくらいかかったかをメモしておく

自分ではどうにもならないことは、相手の確認せずに進める癖、担当を越えて手を出すこと、手直しが自分に回ってくる仕事の割り振りなどです。ここはあなたが抱えても片付きません。決める立場の上司に渡します。

上司に伝えるときは、相手の人柄には触れず、自分の作業に出た影響と、決めてほしいことだけを話します。例文です。

「昨日、共有していた資料が確認なしで書き換えられていて、戻すのに2時間かかりました。自分の担当がどこまでか、線引きを決めてもらえると助かります」

「あの人をなんとかしてほしい」と頼んでも、上司は動きにくいものです。事実と決めてほしいことがそろっていれば、上司は担当の線引きという自分の仕事として受け取れます。上司にも相談しにくい場合は、「誰に相談しよう…」いつも自分ひとりで抱えこんでしまう君へに考え方を書いています。

よくある質問とまとめ

無能な働き者の同僚に、自分から注意してもいいですか?

相手のやり方が変わるまで付き合い、後始末まで引き受ける覚悟があるなら構いません。ただ、同僚の立場でそこまでやるのは難しいはずです。言いっぱなしの注意は相手を変えず、責められた気持ちだけを残します。自分でできることで自分の作業を守り、自分ではどうにもならないことは上司に渡してください。

上司に相談したら、告げ口だと思われませんか?

相手の人柄の話をせず、自分の作業に出た影響と、決めてほしいことだけを伝えれば告げ口にはなりにくいです。「資料が書き換えられ、戻すのに2時間かかった。担当の線引きを決めてほしい」という形です。担当を決めるのは上司の仕事なので、正当な相談です。

上司に相談しても、何も変わりません。どうすればいいですか?

一度で変わらないことは珍しくありません。手直しが出るたびに記録を取り、事実を重ねて伝え直します。その間も、自分でできることで作業を守り続けてください。それでも動かないなら、さらに上の立場の人や別の相談先を考える段階です。

まとめ:あなたは大丈夫

振り回されてしんどいのは、あなたの我慢が足りないからではありません。変えられない相手を、なんとかしようとしていたからです。

相手は変えられない。自分でできることで、自分の作業を守る。自分ではどうにもならないことは、上司に渡す。口を出すなら最後まで、それができないなら口を出さなくていい。陰口で相手を追い出そうとするのも、やめておく。

そう決めてしまえば、あなたは大丈夫です。自分の仕事を守れていれば、それで十分です。

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