
職場に、いつも楽しそうに仕事してる人がいるんだよ。同じ仕事なのに、なんでぼくはああなれないの?
楽しそうに働く人を見ると、羨ましくなります。そのあとで「自分はああいう性格じゃないから」と、自分のほうを責めてしまう人もいると思います。

最初に前提を置くね。楽しそうに働けるかどうかは、性格や才能で決まるものじゃないよ。
私はシステム開発の現場で30年働き、リーダーをしてきました。この記事は、そのとき私の下についた一人の部下の話です。
たまたま下についた部下が、やけに楽しそうだった
あるとき、たまたま一人の部下が私の下につきました。
その部下が、すごく楽しそうに仕事をしていました。
話はこれだけです。大きな成果を出したとか、表彰されたとか、そういう出来事は出てきません。ただ、楽しそうに働く人がすぐそばにいた。この記事で書きたいのは、その「楽しそう」がどこから来ていたのか、です。
正直、羨ましかった
正直に書くと、私は羨ましかったです。
楽しそうに働く姿を見て、いいねと思いました。
楽しそうな人を見たとき、いちばん簡単な説明は「あの人はもともとそういう性格だから」です。そう片付けてしまえば、理由を考えなくて済みます。ただ、その説明を選ぶと「自分はそういう性格ではない」という結論も一緒についてきます。羨ましさが、そのまま自分へのダメ出しに変わります。

ぼく、まさにそう思ってたよ。あの人は明るい性格だからだ、って。

そう考えたくなるよね。でも、本人に聞いてみたら、返ってきた理由は性格の話じゃなかったんだ。
本人に聞いたら、理由は「成長を感じられるから」だった
部下本人が話してくれたのは、こういう内容でした。
今までは、ちゃんと教えてもらわずに仕事をしてきた。でもここでは「なぜこれをやるのか」と「どうすればよいのか」を、ちゃんと教えてくれる。だから日々、自分自身の成長を感じられる。
楽しそうにしていた理由は、成長を感じられるからでした。そして成長を感じられる理由は、なぜやるのか(目的)と、どうやればいいのか(手段)を教えてもらえるから、でした。
ここで正直に書いておきます。私がその部下に何をどう教えたのか、細かいやり取りはもう覚えていません。うまい教え方をここで紹介することはできません。
教えた側が覚えていないことが、教わった側には「楽しい理由」として残っていました。だからこの記事では、教え方ではなく、部下の言葉のほうを手がかりにします。
楽しさは性格ではなく、「なぜ」と「どうやって」が分かっているかで決まる
部下の言葉を、順番に並べ直します。
- なぜやるのか(目的)が分かっている
- どうやればいいのか(手段)が分かっている
- その結果、日々の成長を感じられる
目的が分からない仕事は、言われたことをこなすだけになります。終わっても、それが何の役に立ったのかが見えません。
手段が分からない仕事は、手が止まります。合っているのかどうかも自分で判断できないので、終わったあとに残るのは不安です。
目的と手段の両方が分かっていると、「前は出来なかったことが、今日は出来た」と自分で気づけます。部下が言っていた成長とは、これのことだと私は受け取りました。
もう一つ、見落としたくない点があります。部下は「今まではちゃんと教えてもらわずに仕事をしてきた」と言っていました。 本人が楽しい理由として挙げたのは、自分の性格ではありません。目的と手段を教えてもらえるようになった、という周りの変化のほうです。

じゃあ、ぼくが楽しめてないのは、性格が暗いからじゃないの?

私はそう考えているよ。目的か、手段か、成長の実感か。どれかが欠けているだけかもしれないんだ。
楽しめていない時に、自分で確かめられること
ここからは私の体験ではなく、あなたへの問いかけです。部下の言葉をそのまま3つの問いにしました。仕事が楽しくないと感じたら、自分に聞いてみてください。
- 今の仕事の目的を、一言で言えますか。 「誰の、何のためにやっているのか」が言えないなら、欠けているのは目的です。
- やり方が分からない時に、聞ける相手がいますか。 聞ける相手がいないまま手探りで進めているなら、欠けているのは手段です。
- 先週より出来るようになったことを、一つ挙げられますか。 挙げられないなら、成長を感じる材料が手元にありません。
3つとも「いいえ」でも、落ち込む必要はありません。分かるのは「どこが欠けているか」で、「あなたに何が足りないか」ではないからです。
欠けている場所が分かれば、次の一歩は小さくて済みます。目的が分からないなら「これは何のための作業ですか」と一度聞く。3つを一度にそろえようとせず、欠けている一つから埋めていけば十分です。
楽しそうに働く人は、もともとの性格が違うのではないですか?
人それぞれの性格の違いはあります。ただ、私の部下が楽しい理由として挙げたのは性格ではありませんでした。目的と手段を教えてもらえて、成長を感じられること。本人がそう言っていました。性格の前に、この3つがそろっているかを見てください。
目的もやり方も、誰も教えてくれない職場ではどうすればいいですか?
教えてもらえないのは、あなたの落ち度ではありません。私の部下も、それまでは「ちゃんと教えてもらわずに仕事をしてきた」と話していました。待っていても出てこないなら、目的かやり方のどちらか一つを、自分から聞いてみてください。全部を一度にそろえなくて大丈夫です。
目的もやり方も分かっているのに、楽しくありません。
3つ目の問いを確かめてください。先週より出来るようになったことを挙げられるかどうかです。目的と手段が分かっていても、同じことの繰り返しで成長を感じられなければ、楽しさは出てきにくくなります。それ以外の理由については、この記事の話だけでは答えられません。
まとめ
楽しそうに働いていた私の部下は、特別な性格の持ち主だったわけではありません。なぜやるのかと、どうやればいいのかを教えてもらえて、日々の成長を感じられていた。本人が挙げた理由はそれでした。
仕事を楽しめていないなら、目的・手段・成長の実感のどれが欠けているかを確かめてみてください。
楽しめないのは、あなたの性格のせいではありません。


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