
この件は“次工程で検討”って…また決まらなかった…
IT業界30余年、フリーランスのシルバーSE。KAZです。
「次工程で検討しましょう」は、実はプロジェクトを危うくする“妖怪”のような存在です。
なぜこの言葉が危険なのか、どんな背景があるのか、どう対処すればいいのかを現場視点で解説します。
これを知れば、判断が進まず詰まっていた案件も、前に進むはずです。
お悩み:要件や仕様の決定が先送りされる

レビューで“これは次工程で検討”って流されたんだけど、本当に大丈夫?

うむ、それって妖怪「次工程で検討」の仕業だね。
この妖怪への対処方法を一緒に考えてみよう。
結論:曖昧なまま進むと後で痛い目にあう
「次工程で検討」とは、一見前向きに見えて、実はただの“判断保留”。
原因を特定しないままにすると、誰も責任を持たず、後の工程で大事故になることも。
放置せず、“なぜ決められないのか”を掘り下げることが最重要です。
「次工程で検討」がよく使われる理由
そもそも「次工程で検討」ってなに?
設計やレビューの場で、「今回は決められないので次で検討しよう」と話が流れる場面、よくありますよね。
一見、合理的に聞こえるこの言葉、実は「判断を保留する」という名の“責任回避”になっていることが多いのです。
本来ならその場で決めるべきことを、
- 時間が足りない
- 情報が不足している
- 誰が決めるか不明
といった理由で先送り。しかも、その「次工程」とやらでは、なぜか議題にも上がらないままスルーされていきます。
なにが問題?
「次で検討」と言いながら、実際にはなぜ決められないのかが曖昧になっているケースがほとんどです。
よくあるパターンは次の通りです:
状況 | 実際の理由 | 問題点 |
---|---|---|
仕様未確定 | 顧客に聞いていない | 顧客との役割分担が不明確 |
技術的に不明 | 担当者が調査していない | タスクの割り振りがされていない |
誰が決めるか不明 | 管理者も判断者が不明 | 権限が不明確で進められない |
これらを放置して「次工程に投げる」ことで、プロジェクトのどこかで時限爆弾として爆発します。
妖怪退治!「次工程で検討」対策
では、どうやってこの“妖怪”を退治すればよいのか?以下が効果的な対策です。
① 今決められない理由を明文化
「なぜ今決められないのか」をその場で明確に記録します。
- 顧客確認中
- 技術調査中
- 承認待ち
など、理由+対応者+期日までセットで記録しましょう。
② やることとして課題管理に必ず登録
「検討中」で終わらせず、課題票や一覧に起こして記録します。
「検討する」であっても、担当と期限を持たせれば次工程でも“置き去り”になりません。
③ 「決めない」という選択肢も意思決定
とはいえ、どうしても今は決められないってことも実際にあります。
仕様未定や技術保留は、「あえて未決にする」ことも意思決定のひとつ。
その場合は、その判断がどんなリスクを含むかもきちんと明らかにしておきましょう。
まとめ

“次で考える”のままだと、誰も責任取らなくなっちゃうんだね。

判断を棚上げしたら、後でその棚が崩れ可能性があるということだね。
「次工程で検討」は便利な言葉ですが、気づかぬうちに“問題の先送り”や“責任のあいまい化”を招く危険な妖怪に変わります。
その場で明確にし、課題として管理し、判断を先延ばしにしない姿勢が、プロジェクトを成功に導く鍵です。
「とりあえず次で…」ではなく、“今できることは何か”を常に問い続けることが、頼れるエンジニアの第一歩です!
補足:TBDもおなじ妖怪仲間
「TBD(To Be Determined)」――これもまた、「あとで決めます」の魔法の言葉。
未決のまま仕様書や設計書に残され、気づいたときには手遅れ…なんてこともよくあります。
TBDが出てきたら、「なぜ未定なのか?」「誰が、いつまでに決めるのか?」を必ずセットで明記しましょう。
「TBDは妖怪“未定くん”」くらいの警戒心が大事です。

「次工程で検討」も「TBD」も、問題の先送りでしかないことを認識しておこう。
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