
また期日に間に合ってない…何度言えばわかるんだろう。
IT業界30余年、フリーランスのシルバーSE。おにぎりです。
「仕事が遅い部下をどうすればいいか」という相談は、現場リーダーから繰り返し受けてきた。怒りたい気持ちはわかる。期日に間に合わないことが続くと、信頼も揺らぐし、周りにも影響が出る。
ただ怒る前に、ひとつ確かめてほしいことがある。
「遅い」にはタイプがある。タイプが違えば、対処も変わる。同じ怒り方をしていても、原因が違えば状況は改善しない。
お悩み

頼んだタスクが毎回ギリギリか間に合わない。本人に言っても「わかりました」と返事はするけど変わらない。

そのメンバー、なぜ遅いか、原因はわかってる?

…能力が低いのかな、とは思ってた。

「能力の問題」だけとは限らない。「遅い」には3つのタイプがある。まずそこを確かめてみよう。
結論:原因のタイプを先に見極める

怒る前に、「なぜ遅いか」のタイプを確認する。それだけで関わり方が変わって、状況が動き出すことが多い。
「仕事が遅い」には3つのタイプがある

タイプ1:わからなくて立ち止まっている(能力・知識の問題)
タスクに必要な知識が足りなくて、どこから手をつけるかわからず止まっている状態。「遅い」のではなく「詰まっている」。このタイプは怒っても動かない。怒ると萎縮して、ますます相談できなくなるからだ。
見分けるサインは「黙って抱え込み、締め切り直前に急に申告してくる」こと。途中経過の報告がなく、最後に「間に合いませんでした」と出てくるパターンが多い。

若手メンバーが毎回ギリギリになるので理由を聞いたら、「どこから手をつければいいかわからなかった」と言った。それがわかってから、タスクの分解を一緒にやるようにした。そこから変わった。
タイプ2:何から手をつけるかわかっていない(優先度の問題)
複数のタスクが積み重なり、どれを先に処理すべきかが見えていない状態。本人は「全部やる」つもりでいるが、結果的にどれも中途半端になって全部遅れる。
このタイプのサインは「全体的にギリギリで、完成度や質がバラバラ」なこと。そして「忙しそうに見えるのに成果が出てこない」という特徴がある。能力の問題ではなく、作業の順番が整理できていないだけのことが多い。

「今週中に頼む」という言い方は危ない。月曜と金曜が同じ期限に聞こえる人がいる。「水曜の午前中までにここまで」と区切って伝えると、それだけで動きが変わった。
タイプ3:外部に障壁がある(環境の問題)
本人の意欲も能力もある。ただ、割り込みが多い、必要な情報が揃っていない、誰かの承認待ちが続いている。外から見ると「遅い」でも、実態は「やりたいのに進めない」状況だ。
このタイプに怒ると、やる気が一気に落ちる。本人からすると「頑張っているのに責められた」になるからだ。やる気はあるのに成果が出ない、という状態が続いているときはこのタイプを疑う。

「遅い」と感じて声をかけようとしたとき、実は自分が承認を後回しにしていたことに気づいたことがある。原因を思い込みで判断すると、こういう見落としが起きる。
なお、3タイプは排他ではない。「知識が足りない(タイプ1)うえに、割り込みも多い(タイプ3)」という複合パターンもある。ひとつ確認して解決しなかったら、別のタイプの要因も疑う。
怒る前の確認3ステップ

ステップ1:「詰まってるとこある?」と問いかける
「なんで終わってないの?」ではなく、「今どのくらい進んでる?詰まってるとこある?」と聞く。責める言葉より問いかける言葉のほうが、部下は状況を話しやすい。
話してくれれば原因タイプが見えてくる。「実はここがわからなくて」と言えばタイプ1、「全部一緒にやろうとしてた」と言えばタイプ2、「○○さんの確認が取れなくて」と言えばタイプ3だ。
ステップ2:期日と成果物の認識を短く確認する
「何をいつまでに仕上げるか」の認識が、リーダーと部下でズレていることは想像以上に多い。指示を出した側が「伝わっている」と思っていても、受け取った側の解釈が違う場合がある。

毎回確認するのって、信用していないみたいにならない?

「監視」じゃなくて「一緒に確認する」という関わり方にすると、受け取り方が変わる。頻度より言い方の方が重要だよ。
ステップ3:自分が障壁になっていないかを点検する
リーダー自身が「承認を後回しにしていた」「指示が曖昧だった」「別の作業を割り込ませた」という場合もある。原因を部下だけに帰属させる前に、一度自分の側を確認する。

「遅い」と感じて声をかけようとしたとき、前日に自分が別の作業を割り込ませていたことに気づいたことがある。そのとき「すまなかった」と言ったら、部下が少し驚いた顔をした。それ以来、その部下は早めに状況を話してくれるようになった。
よくある疑問

3ステップを試してもまだ改善しない場合は、どうすればいい?

原因タイプの特定がまだできていない可能性が高い。1on1の場で「今の仕事で一番しんどいのはどこ?」と直接聞いてみよう。表面的な「遅い」から、根本の原因に近づける。それでも変わらないなら、意欲そのものの問題かもしれない。そのときは別の話をする必要があるかもね。
まとめ
「仕事が遅い」を一括りにしない。能力の問題か、優先度の問題か、環境の問題か。タイプを確かめてから関わり方を変える。それだけで、状況が動き出すことが多い。
- 詰まっているなら、何が詰まっているかを一緒に整理する
- 優先度が見えていないなら、期日と成果物を短く再確認する
- 環境に障壁があるなら、自分の側も点検しながら一緒に取り除く

「遅い」と感じたら、まず「なぜ?」を一回確かめてみる。怒る前にそこから始めれば変わることもあるんだね。
同じ状況で悩んでいる方の、少しでもヒントになればうれしいです。感想やご意見があればコメントで教えていただけると参考になります。


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