
「わかりました!」って返事してくれたのに、締め切り前日に「まだ着手してなくて……」ってなる。どうすれば……
「はい、わかりました!」
返事だけは早い。でも一向に動かない。締め切り2日前に「どこまで進んでる?」と聞くと「実はまだ……」。仕方なく自分が引き取って夜中に仕上げる。翌朝「なんで早く言ってくれなかったんだ」と思いながらも、言えずに終わる。
これ、リーダー1年目の鉄板パターンです。
怒っても変わらない。毎回確認するのも疲れる。どうすれば動いてくれるのか——そういう状態が続くと、自分のマネジメントが問題だと感じ始めます。
でも実は、「返事だけ早くて動かない人」にはだいたい3つのパターンがある。それを知っておくと、対応がまるで変わります。
「やる気の問題」と決めつけると、ずっと変わらない
最初にはっきり言っておきたいのですが、「返事だけ早くて動かない人=やる気がない人」という見立ては、たいてい間違っています。
確かに稀には「本当にやる気がない」ケースもある。でも現場で30年近く見てきた感覚では、大半は「やる気はあるけど、何かに詰まっている」状態です。
問題は「やる気」ではなく「詰まり方」の違い。ここを無視して同じ対応を繰り返すと、「また怒られた」「また叱られた」という関係が積み重なるだけで、何も変わりません。
では、どんな「詰まり方」があるのか。3つに分けて見てみましょう。
3つのタイプに分けてみる
「返事だけ早くて動かない人」には、次の3タイプがあります。

タイプA:締め切りトリガー型(夏休みの宿題型)
「返事はする。着手しない。締め切り直前になってやっと動き出す」というパターンです。
このタイプの特徴は、「着手する理由」が締め切りの迫りしかないこと。追い込まれないと脳が動かない。本人も「まずい」とはわかっているのに、手が動かない。悪意はないし、サボっているわけでもない。ただ、スイッチが入らない状態が続いています。

ぼく、昔そのタイプだったかもしれない……

え、そうなの!? いつも落ち着いてるのに

小学生の夏休みの宿題と一緒で、締め切りギリギリまで着手しなかった。返事だけして、全然手をつけてなかった……

……それ、今はそうじゃないの?

今は中間チェックが入るようになったから、なんとか動けてる。あの仕組みがなかったら……たぶん今も同じだった
タイプB:方向性不明型
「わかりました」と返事はするが、実際には「何をすればいいのかわかっていない」パターンです。
ただし、プライドや遠慮から「わからない」と言い出せない。結果として、わからないまま時間だけが過ぎていく。タイプAと違って、着手したい気持ちはある。ただし方向が見えない状態です。
タイプC:優先度ズレ型
「この仕事の重要度を低く見積もっている」パターンです。
他の仕事と天秤にかけて、自分なりの判断で後回しにしている。リーダーにとって「緊急案件」でも、部下からは「そこまで急がないか」と見えている。重要度の認識がズレているのが問題であって、怠けているわけではないのです。
タイプ別 3ステップの接し方
タイプが分かったら、対応は3ステップで動けます。

ステップ1:一言確認でタイプを見極める
「なんで動いてないんだ!」と叱る前に、まず一言だけ確認します。
- 「今、どのあたりで詰まってる?」
- 「着手するとしたら、最初の一歩って何になりそう?」
答え方でタイプがわかります。
- 「まだ手をつけてなくて……」→ タイプA(締め切りトリガー型)
- 「どこから始めたらいいか……」→ タイプB(方向性不明型)
- 「他のタスクとの兼ね合いで……」→ タイプC(優先度ズレ型)

でも、「まだです」って言われたら余計イライラしそうで……聞くのが怖い

わかる、その気持ち。でも聞かずに叱ると、タイプがわからないまま終わる。聞いてから叱っても遅くはないよ
ステップ2:着手点だけを伝える
タイプが分かったら、「ゴール」ではなく「着手点」だけを伝えるのがポイントです。
「完成させて」ではなく「最初の5行だけ書いて」。「全部確認して」ではなく「この部分だけ見て」。「プレゼン準備して」ではなく「まず目次だけ作って」。
タイプ別に言葉を変えると、こうなります。
最終形を伝えるよりも、最初の一歩を具体的に示すほうが、人は動き始めやすいのです。
ステップ3:中間チェックで「止まる前に拾う」
着手してもらったら、締め切りまで放置せずに途中で一度「どこまで進んだ?」と声をかけます。
これは監視ではなく「相談窓口」を作るためです。進んでいれば「よし」で終わり。止まっていれば「何が詰まってる?」と確認できる。
タイプBの人は、途中で詰まっても「また聞くのか……」と躊躇することが多い。中間チェックがあると「あのタイミングで相談すればいい」とわかるので、動き続けやすくなります。
タイプAには、もう一つ効果があります。「次の確認まで」という中間の締め切りが追加されることで、締め切り直前に追い込まれる体験を前倒しできるのです。

ステップ3はタイプAに一番刺さりますね。締め切りが実質2個になる

なるほど。「監視されてる」感じじゃなくて「相談できる」って感じにするのが大事なんだ

ぼくがリーダーになれたのも、そういう関わり方をしてくれた先輩がいたから。昔の自分みたいな後輩には、このステップを使ってほしい
「動かない」にも、ちゃんと理由がある
「返事だけ早くて動かない」状態には、3つのタイプがあります。
どのタイプかを見極めずに同じ対応を繰り返すと、お互いに消耗するだけです。でも一言確認するだけで、次の一手がまったく変わる。
部下が動かないのは、たいてい「詰まっているから」です。どこで詰まっているかを知ることが、マネジメントの最初の一歩になります。

昔の自分に、このことを教えてあげたかった……

……でも今もたまにそうじゃない?

……過去の話です


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