「頑張っても評価されない」の正体|数字とチームの板挟みで、私はフリーランスを選んだ

リーダーの仕事術

頑張っているつもりなのに、なぜか評価が上がらない。数字は達成しているはずなのに、上からの反応は今ひとつ鈍い。かといってチームに無理をさせたわけでもない。むしろ、無理をさせなかったことのほうが自分では誇らしい。

そんな板挟みに心当たりのある方に読んでほしい記事です。

おかかくん
おかかくん

チームのことを考えて動いたのに、上からは物足りなさそうな顔をされる……。僕、何か間違えたのかなあ。

おにぎりさん
おにぎりさん

間違えたんじゃないよ。二つの物差しの間に立っていたんだよ。私も同じ場所に立って、最後は会社員をやめた。今日はその話をしようか。

評価されないのは、能力の話ではありません

「頑張っているのに評価されない」という悩みは、たいてい能力不足のせいにされます。もっとスキルを磨け、もっと数字を出せ、と。

でも、SESでリーダーやマネージャーをやっていると、能力とは別のところで評価が詰まることがあります。会社が見ている物差しと、現場が見ている物差しが、そもそも別物だからです。

会社は売上と利益を見ています。現場は円滑な推進とチームの雰囲気を見ています。両方とも、間違ってはいません。ただ、両方を同時に満点にする方法は、たいてい存在しません。

板挟みの正体1:増員すれば売上、だが増員すればチームが疲れる

私が一番はっきりと板挟みを感じたのは、増員の話でした。

SESという業態では、シンプルな話、人を増やせば売上が上がります。会社からは予算達成を求められていましたから、増員は歓迎される判断のはずでした。

ただ、現場を見ている私には、それが素直に喜べる話ではありませんでした。今のチームに、これ以上人を増やす余力があるだろうか。無理に増やせば、教育の手間も、進捗の調整も、既存メンバーにのしかかります。売上のための増員が、そのままチームの負担増になるのが、目に見えていました。

ここに図を挟みます。

会社の物差しとチームの物差しが重なる図

会社の物差しと現場の物差しは、重なる部分もありますが、完全には一致しません。そして私が立っていたのは、まさにその重ならない部分でした。

板挟みの正体2:既存メンバーを守る判断をした。それでも、評価は上がらなかった

結局、私は既存メンバーの負担を優先しました。増員を拒む、あるいは時期を遅らせる。無理な増員でチームを壊すよりは、そのほうがずっとましだと思ったからです。

この判断自体は、今でも間違っていなかったと思っています。実際、チームは大きく崩れませんでした。

ただ、正直に書きます。結局、数字では評価されませんでした。会社から見れば、増員できたはずの機会を見送った人、にしか映らなかったのだと思います。チームを守ったという事実は、会社の物差しには乗らない種類の成果でした。

おかかくん
おかかくん

正しいことをしたはずなのに、報われないなんて……。それって、結局どうすればよかったの?

一番苦しかったのは「どちらの言い分もわかる」ことでした

ここが、今日いちばん伝えたいところです。

私は、会社が予算達成を求めることを、間違っているとは思っていませんでした。会社である以上、それは当然の要求です。同時に、既存メンバーを守りたいという現場の気持ちも、正しいと思っていました。

もし会社の言い分がまるきり理不尽だったら、反発すればよかった。もしチームの負担がたいしたことなかったら、素直に増員すればよかった。どちらの言い分も筋が通っていたからこそ、私はどちらか一方を選びきれず、中途半端な立場に居続けることになりました。

板挟みというと、片方が悪者で片方が正義、という構図を想像しがちです。でも実際の板挟みは、両方とも正しいから抜けられない、というもののほうが多い気がします。

ここでもう一枚、図を挟みます。

会社の言い分と現場の言い分、どちらも正しいから抜けられない図

私が最後に選んだのは、板挟みの場所そのものを離れることでした

この板挟みに、きれいな解決策があったとは今も思っていません。会社に残る限り、数字の物差しは消えませんし、現場にいる限り、チームの物差しも消えません。どちらかを我慢するか、両方を薄く保つか、正直それくらいしか手はありませんでした。

私が最終的に選んだのは、その板挟みの構造自体から降りることでした。フリーランスという働き方です。

会社の看板を背負って予算を背負う立場をやめれば、少なくとも「会社の数字のために誰かを疲弊させる」という構図には立たずに済みます。逃げた、と言われればそうかもしれません。ただ、板挟みの正体が「会社の数字」と「現場の物差し」という、立場が生む構造そのものだと気づいたら、その立場自体を変えるというのも、ひとつの答えだったと思っています。

おにぎりさん
おにぎりさん

会社に残って板挟みに耐え続けるのも、ひとつの生き方だよ。私はたまたま、立場を変えるほうを選んだだけ。どちらが正解というものでもないんだ。

もし今、あなたが板挟みで評価されていないなら

もしあなたが今、頑張っているのに評価されないと感じているなら、まず疑ってほしいことがあります。それは、あなたの能力ではなく、あなたが二つの物差しの重ならない場所に立たされているだけかもしれない、ということです。

そのうえで、できることは三つあると思っています。

一つ目。今の評価が上がらない理由を、自分の能力ではなく物差しのズレとして言語化してみる。「頑張りが足りない」と「物差しが二つある」では、自分を責める強さがまったく違います。

二つ目。どちらの物差しも正しいと認めたうえで、自分がどちらをどれだけ優先するかを、一度言葉にして上司に伝えてみる。黙って耐えるより、板挟みの構造そのものを共有したほうが、案外わかってもらえることがあります。

三つ目。それでも板挟みが変わらないなら、板挟みが起きる立場自体を変える選択肢があることを、覚えておく。転職でも、フリーランスでも、部署異動でも構いません。耐える以外の答えも、ちゃんとあるということです。

ここで図解のフローをもう一枚。

板挟みで潰れないための3ステップ

まとめ:板挟みで潰れかけたあなたへ

頑張っても評価されないのは、あなたが甘えているからでも、能力が足りないからでもありません。会社の数字とチームの物差し、両方が正しいと分かっているからこそ、どちらも選びきれず、中途半端に見える場所に立たされているだけです。

その場所に立ち続けるのも、そこから降りるのも、どちらも立派な選択です。少なくとも、あなたのその苦しさは、能力の証明にはなっても、能力不足の証拠にはなりません。

おかかくん
おかかくん

僕が中途半端なんじゃなくて、立っている場所が二つに引っ張られてたんだね。ちょっと、気が楽になったよ。

よくある疑問

Q1. 板挟みで評価が上がらないとき、上司に相談してもいいのでしょうか?
相談していいと思います。ただ「つらいです」ではなく「会社の数字と現場のチーム、両方を優先しようとして身動きが取れなくなっています」と、構造として伝えるほうが、上司も判断しやすくなります。

Q2. フリーランスにならないと、この板挟みからは抜け出せませんか?
そんなことはありません。部署異動や転職でも、板挟みの構造自体は変えられます。フリーランスは私が選んだ一例であって、唯一の正解ではないです。

Q3. 既存メンバーを守った判断は、本当に正しかったのでしょうか?
今でも正しかったと思っています。評価されるかどうかと、正しいかどうかは、残念ながら別の話です。評価されなかったからといって、判断そのものを疑う必要はありません。

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