SESの一次請けと二次請け以下は上下じゃない。違いは責任の重さだけ

ファイルの山を抱えるしゃけ先輩と、パソコンだけで作業するおかかくんが同じ高さの机に並ぶ SES

二次請け以下のままでいいのか、と不安になったら

おかかくん
おかかくん

SESの二次請け以下って、一次請けより下ってことなのかなあ。二次請け以下のままでいいのか不安になる人、けっこう多いよね?

SESで働いていると、自分が「何次請け」なのかを意識する場面があります。一次請けの人がお客さんと打ち合わせをして、二次請け以下の自分は決まったことを受け取って手を動かす。その並びを見ているうちに、自分は下にいるのだと感じてしまう人もいると思います。

おにぎりさん
おにぎりさん

最初に答えを言うね。二次請け以下の楽さは、負けじゃないよ。腐らずにいれば、上に行く道はいつでも選べるんだ。

私はSE歴30年のシステム屋です。専門学校を卒業して以来、自社内で完結する受託開発を約15年間、協力会社さんと一緒にお客様先などに常駐する一次請けでのプロジェクトに3年間携わりました。
その後時代とともに大規模プロジェクトに駆り出されることが多くなり、立場も二次請け以下での参画がほとんどでした。

両方の立場で働いた経験から、一次請けと二次請け以下の違いと、二次請け以下にいる人が腐らずにいるためにできることを書きます。

SESの一次請けと二次請け以下の違いは「上下」ではなく「責任の重さ」

一次請けは、お客さんから直接仕事を受ける会社です。二次請けは、その一次請けから仕事を受ける会社です。その先に三次、四次と続くこともあります。

詳しい構造はこちらの記事にまとめています。→ SES多重下請けとは?現場に潜むリスクと対処法3選

並びだけを見ると、上と下に見えます。けれど、両方をやった私の実感は違いました。違ったのは、背負う責任の重さです。

私がいた現場では、一次請けは請負契約、二次請け以下の時は準委任契約で入っていました。

  • 請負:仕事を完成させることに責任を負う契約
  • 準委任:完成ではなく、業務を行うことに責任を負う契約(完成させる義務はない)
請負と準委任の違いを並べた図。請負は仕事を完成させることに責任を負い、完成させる義務がある。準委任は完成ではなく業務を行うことに責任を負い、完成させる義務はない。私がいた現場では、一次請けが請負、二次請け以下が準委任だった

同じ現場で似た作業をしていても、契約が違えば背負うものが変わります。

おかかくん
おかかくん

じゃあ、一次請けのほうが偉いってわけじゃないの?

おにぎりさん
おにぎりさん

偉いかどうかじゃなくて、役割が違うんだ。一次請けは完成まで背負う役、二次請け以下は任された業務をきちんとやる役。重さが違うだけだよ。

一次請けの3年間、何が重かったか

一次請けだった3年間は、重かったです。請負契約である以上、仕事が完成しなければ、その責任は一次請けに来ます。

まず、見積もりと納期を自分で約束しなければなりませんでした。どれくらいの手間がかかって、いつまでに終わるのか。その数字を出すのも自分なら、外れた時に責任を取るのも自分です。

次に、下請けの人たちの進み具合まで見る立場でした。自分の担当を終わらせれば済む、とはなりません。チーム全体が予定どおり進んでいるかを見て、遅れていれば手を打つ必要がありました。

それから、下請けで来る人のレベルはまちまちでした。なかなか手が動かない人もいれば、すぐ休む人、すぐやめてしまう人もいました。

これは、その人たちが悪いという話ではありません。休むのにもやめるのにも、それぞれの事情があります。言いたいのは、一次請けはそれも含めて背負う、ということです。誰かが休んでも、誰かがやめても、完成させる責任は一次請けに残ります。

二次請け以下は、正直めちゃくちゃ楽だった

二次請け以下で働いて、まず感じたのは「楽だ」ということでした。正直に書くと、めちゃくちゃ楽でした。

私がいた現場の二次請け以下は、準委任契約でした。完成に責任を負わない契約なので、最悪、終わらなくてもいい。見積もりや納期の約束を、自分が背負うこともありません。

現場が合わなかった時も同じです。やめさせられても、うまくいかなくても、次の現場に行けばいい。一次請けの頃のように、完成するまで降りられないという重さはありませんでした。

困ったこともありました。ある現場では、一次請けが全く機能していませんでした。本来なら一次請けがお客さんと話をして、決まったことを二次請け以下に渡します。それが回らず、二次請け以下の私が直接お客さんと話をさせられました。

おかかくん
おかかくん

それって、二次請け以下の仕事なの?

おにぎりさん
おにぎりさん

本来の役割ではないね。でもこの話は、次の「腐らないため」につながるんだ。

楽な場所で腐らないためにできること

二次請け以下の楽さは、悪いことではありません。完成の責任を負わないのは、そういう契約だからです。楽をしている自分を責める必要はありません。

気をつけたいのは、楽さに慣れきってしまうことです。終わらなくてもいい、だめなら次の現場に行けばいい。それが当たり前になると、手を抜くことにも慣れていきます。

準委任は完成の責任を負わない契約ですが、手を抜いていい契約ではありません。引き受けた仕事は、注意を払ってきちんと行う責任があります。腐らないための最初の一歩は、ここを外さないことです。

そのうえで、二次請け以下の立場から始められることを3つ挙げます。

  1. 引き受けた仕事は、終わらせるつもりで取り組む。 完成の義務がなくても、終わらせようとする癖は手放さないでおく。
  2. 一次請けが何を背負っているかを見ておく。 見積もりや納期をどう約束し、チームの進み具合をどう見ているか。近くで見ておけば、いつか自分が背負う時の下地になります。
  3. 本来の役割ではない仕事が回ってきたら、力をつける機会として受け取る。 私が直接お客さんと話をさせられたのも、二次請け以下の役割ではありませんでした。それでも、お客さんと話して要望を聞き取る仕事は、一次請けに立つなら避けて通れません。
おかかくん
おかかくん

楽をしてても、ちゃんとやってれば大丈夫ってこと?

おにぎりさん
おにぎりさん

そう。楽な場所にいること自体は問題じゃないよ。腐らずにいれば、上に行きたくなった時に、いつでも動けるからね。

責任を背負いたくなったら、動けばいい

二次請け以下のままで満足しているなら、それでかまいません。役割が違うだけで、どちらが上という話ではないからです。

それでも、いつか「自分で約束して、自分で背負う仕事がしたい」と思う日が来るかもしれません。上に行きたいと思ったなら、今の場所で待つより、動いた方がいいです。

動き方はひとつではありません。一次請けの立場で働ける会社に移る道もあれば、フリーランスとして自分で仕事を取りにいく道もあります。

フリーランスとして仕事を探した時の話は、こちらの記事に書いています。

→ フリーランスエージェントに案件がなかった話 ──「短期案件が多い経歴」はこう見られる

よくある疑問

二次請け以下で働き続けるのは、キャリアとして不利ですか?

二次請け以下だから不利、とは私は考えていません。一次請けと二次請け以下は上下の関係ではなく、背負う責任の重さが違うだけです。気をつけたいのは立場よりも、楽な場所で手を抜くことに慣れてしまうことのほうです。

二次請け以下なら、仕事が終わらなくても責任はないのですか?

私がいた現場の二次請け以下は準委任契約で、仕事の完成までは求められませんでした。ただし、完成の責任がないことと、手を抜いていいことは別です。引き受けた業務を注意してきちんと行う責任はあります。契約の形は現場ごとに違うので、自分の契約がどうなっているかは確かめておいてください。

一次請けで働きたくなったら、何から始めればいいですか?

まずは今の現場で、一次請けが何を背負っているかを見るところからです。見積もりや納期の約束、チームの進み具合の管理を近くで見ておくと、自分がその重さを背負いたいのかどうかが分かります。背負いたいと思えたら、そこで動けば十分です。

まとめ

一次請けと二次請け以下は、上下の関係ではありません。背負う責任の重さが違うだけです。

一次請けの3年間は、見積もりや納期の約束から、下請けで来る人たちのことまで含めて背負う重さがありました。二次請け以下は完成の責任を負わない分、とても楽でした。

二次請け以下の楽さは、負けではありません。楽な場所でも腐らずに、引き受けた仕事をきちんとやっていれば、上に行く道はいつでも選べます。

この記事が、悩んでいる人へのヒントになればうれしいです。ご意見や、扱ってほしいテーマがあれば、気軽にコメントで教えてもらえるとうれしいです。

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